3月29日
Paris パリ 巴里 … 学生時代憧れた町。憧れのあまり、あんなに勉強したフランス語がすっかり頭の中から消え去っていることをひしひしと感じて数日...
その日が来た!
しかし、今回の旅でパリに行けるだなんて思っていなかった私は何の下調べもせず、ガイドブックも持たず皆さまのお世話になりっぱなし。
1日乗車券Mobilis。食事の用意などお世話になっているBertrand(ベルトラン)さんが買ってきてくださったので、どのように手に入れたのかは不明。(多分駅の券売機)
パリ市内の地下鉄と近郊電車に乗り放題。
Montigny sur Loing からGare de Lyonまで電車に揺られて約1時間(ちなみに乗った電車はSNCF…国鉄【R】線)。Metroを乗り継ぎ…
言わずと知れたTour Eiffel
「エッフェル塔を下から見上げてご覧なさい。骨組みがとても美しいから。」と先生に勧められていたのだが、本当に美しかった。レース編みのように繊細なライン。1890年頃に造られたなんて想像を絶する技術力。そして、この塗装の色がなんともいえない。
エッフェル塔の下までは、テロ対策の荷物チェックを受ければ誰でも入れる。お金を払ったら、歩いて昇るコースとエレベーターで上るコースがあったが、歩く気などさらさらなく、エレベーターは待っている人の列の長さに恐れをなし、お土産屋さんを覗いて後にした。
エッフェル塔下の広場にいた鴨の親子大人気
お腹がすいたので屋台のサンドイッチ屋さんでサンドイッチなどを買ってセーヌ川のほとりでいただく。たくさんの人が同じように川の辺りでくつろいでいたが、鴨川のように等間隔ではなかった。足下にいるのはパンくず狙いのあつかましい鴨。
Bateaux-mouches(バトー・ムッシュ…遊覧船)に乗りたいという子どもたちのリクエストに応えるべく、パンをかじりながら川を眺めていたのだが、どうも行ったり来たりするだけ(遊覧船なので当たり前)。そこへ水上バス(Batobus)が行き交っているのを発見!限られた滞在時間。美術館も行きたいね。ということで、Musée d'Orsay(オルセー美術館)まで水上バスで移動することにした。
このときはもう暑いぐらいで船室にはいられなかった。
美術館の前でレッスンに向かうYちゃんとお別れ。
オルセー美術館は駅舎をリフォームした建物。足を踏み入れた瞬間、その広さ、天井の高さ、装飾の美しさ、そこにずらりと並べられた彫刻の数々に圧倒されて鳥肌が立った。
あまり時間が無かったので、目当ての絵が展示してあるフロアに絞って弾丸鑑賞。そして休憩。カフェの装飾も美しい。(そこでいただいた”本物の”シードルを記録としてあげておく。)
やらずにはいられない…
さて、駅に戻る前に行かなければ行けないところ。それはスーパー。
子どもたちは、この日しか買い物ができる時間がなかったので、スーパーで大人顔負けの勢いでお土産を物色する。気がつけば電車の時間が!
スーパーから駅まで荷物もあるのでタクシーに乗ろうとするも捕まらず、かなりの距離大急ぎで歩く。急ぎつつ通りすがりのルーブル美術館の写真はしっかり撮る。
あーこれで電車に間に合う〜と改札を通ろうとしたら…入れない。行きがけにもあったのだが、なぜか切符が受け付けられず、入れる人と入れない人が出てしまい、改札で手間取っているうちに電車を逃してしまった。
次の電車まで、1時間弱待ちぼうけ。ゆっくり休憩しよう。と座っていたのだが、トイレに行きたい子どもをトイレへ連れて行こうとしたら、トイレサインをたどって行けども行けどもトイレはない。多分トイレまで往復15分はかかっている。そして、たどり着いたトイレは有料。この旅行中最初で最後だったが、入り口が改札口のようになっていてお金を払わないと入場できないようになっていた。確か90¢。綺麗なトイレに安全に入れるのなら、これもありかな。次の機会があれば、Gare de Lyonでトイレに行く時は余裕を持って行こう。
帰りの電車は週末の夕方だったからか、とても混んでいた。大きな荷物を持った親子連れなどが多くて、始発なのに空席を見つけるのに苦労したが、なんとか全員席について帰路につく。
驚いたことに行きも帰りも検札の車掌さんが来ない。行きがけは、ベルトランさんが、自動改札機を通してくださったので、それで良しとしても帰りは切符なしでも乗れてしまいそうな雰囲気。後から先生に伺ったところ、抜き打ちで検札に来るらしく、バレたら相当な罰金を取られるらしい。お気をつけあれ〜
~本日のメニュー~
【ディナー】
-
骨付きポークグリル
- ラタトゥイユ
- クスクス
- サラダ
- タルト・タタン
3月28日
今日も良い天気。朝は冷え込むものの、日が昇ると暑いぐらい。
こちらは門から入ったところにある中庭。おひさまが当たっているところは馬小屋をリフォームしたホール。
中はこんな感じ。アンティークのシャンデリアが素敵。
ホール前方と後方(もちろん馬の残り香など全くない。)
中庭から見た母屋
午前中、近くの小学校を訪問。フランスの多くの学校は公立で、海外からの視察や見学はお役所を通さなけれならず、そうすると、見学できるまで相当な時間がかかるらしい。しかし、今回はMme.MasakoとMme.Elianeのご尽力のおかげで迅速に実現した。
始めに案内されたのは、10〜11歳のクラス。小さな田舎の小学校なので、2学年合同だそうだ。まずは持参した折り紙で交流。この学校には日本通の先生がいらっしゃって、折り紙も少し知っていた生徒さんたちから「鶴が折りたい!」とリクエスト。”鶴の折り方なんて忘れたわ!”という大人たち…頼りの子どもたちは少し遅れて到着したので、子どもたちの到着まで冷や汗をかきつつ折り紙を伝える。(言葉ができないので、”教える”でなく折って見せてわかってもらう…)
飲み込みが早く、すぐに自分なりに工夫を加えてオリジナル作品を作り出す生徒たち
場所を音楽室に変えて、子どもたちがヴァイオリンを披露。意外にもクラスに5〜6人もヴァイオリンを習っている生徒さんがいて、興味深く聴いてくれた。
その後、小学生たちに校内を案内していただく。主に幼稚園部。校庭が広く、やはり郊外ならではの環境とのこと。写真右は幼稚園の建物の裏にあるPotagère(ポタジェ)。野菜を育てているそうだ。
午後からはYちゃんのハープレッスン。
Fontainebleau(フォンテーヌブロー)のコンセルヴァトワールからBénédicte Rostaing(ロスタング)先生がいらっしゃった。
ハープという楽器をよく知らなかったのだが、優雅に見えて、足元に付いている7本のペダルを駆使して音を作り出しているのだそうだ。その組み合わせは1500通り(2500通りだったかな?)かそれ以上!華奢な指で弦を弾くだけでも大変そう...と思っていたけれど、ハーモニーの変化を考えながら弾くなど、ヴァイオリンと共通することもたくさんあるようだった。
~本日のメニュー~
【ランチ】
- キッシュ
- サラダ
【ディナー】
- ラザニア
- サラダ
- いちごのシロップあえクリーム添え
どんなときも美味しいパンが必ず提供されていた
3月27日
午前中は練習。
朝食が終わったらさっさと自分たちで練習を始める。自学自習。いい感じ。
また、言われたわけでもないのに、子どもたちが音楽から受けるイメージを絵にして見せてくれた。
この日はハープのYちゃんも合流。早速練習。じゃなく卓球…
練習もして…
この日は、夕方に皆でMontereau(モントロー)という街のコンセルヴァトワールへ見学にでかけた。車に乗っていた時間は20~30分。途中、印象派の画家シスレーが滞在していたMoret-sur-Loing(モレ=シュル=ロワン)の街を通過。昔さながらの町並みに密かにテンションが上がる...(道が石畳なので揺れがひどくて写真撮れず)
コンセルヴァトワールと聞いて思い浮かぶのはのだめも留学した(古い?)数多くの有名な音楽家を輩出するパリの国立高等音楽院であるコンセルヴァトワール。しかし、フランスには二大国立高等音楽院の下に、地域立、地区立と連なっているらしい。
コンセルヴァトワールconservatoireって何するところ?音楽・舞踊・演劇を習う学校だよ | 日日家庭のフランス生活
参考にさせていただいたブログ…ありがとうございます。
今回見学させていただいた学校は市立で、コミュニティセンター(図書館などが入っている)に隣接している。
フランスは水曜日が学校のお休み。この日にコンセルヴァトワールで音楽を勉強するらしい。(もちろん任意)勉強できる楽器、ジャンルは多種多様。現代音楽からクラシック、バロック、吹奏楽、ジャズ、ロックなどなど…そして音楽に限らず、演劇、ダンスも学べる。そして、生徒も子どもから大人まで。ジャズやロックのクラスはどの人が先生か生徒かわからなかった。
部屋の名前がそのジャンルの音楽家の名前になっている
パイプオルガンとチェンバロ
モントローの市長さんは環境・文化政策に力を入れているそうで、低所得者でも音楽を学びたい人は子どもから大人まで音楽が学べるよう門戸を開いているそうだ。全くの正反対の政策の町で暮らしている私にとって、うらやましい限りだ。
~本日のメニュー~
【ランチ】
- ローストポーク
- フムス数種
- サラダ
- パン
【ディナー】
- 仔牛肉煮込み
- パスタ
- サラダ
この日は今回の企画のオーガナイザーMme.Masakoの手料理。とっても美味しかった。ごちそうさまでした!
3月26日
この日は、時差調整のために1日レッスン。と、いっても、スケジュールが決められているわけではなく、子どもたちに任されている。
午前中、朝食後部屋に上がって行った子どもたち、気になりながらも放置していたら、物音がしない。いったい何してるの?とドアの隙間からこっそり覗くと、3人で床に向かって何やら相談中…
保護者たちは、お散歩がてら徒歩約30分のところにあるスーパーへ。
数分歩くだけで絵になる風景に出会う。
映画に出てくるような邸宅も…
海外を旅行して、現地のスーパーへ行くのが好きだ。土地の人たちの生活が垣間見られるからだ。フランスではBIO(有機・オーガニック)ブームと聞いて気になっていた。確かに食品から化粧品までBIOコーナーがある。(値段はやはり割高)ご当地産品コーナーもあったり、店内にスーパーのテーマソングや、特売情報が繰り返し流れていたり、日本とあまり変わらないところがあって興味深かった。
この日は、お土産になりそうなものの下調べにとどめ、子供たちにおやつを買って帰る。
帰ってみると子供たちは自主的に練習を始めていた。3人でパートも決めて譜読み。そして、先生とレッスン。
家で1人譜読みするのとは違って1音1音3人のハーモニーを聴きながら丁寧に譜読み。
買い物から帰ってきて驚いたのは、3人とも楽器の音が日本で聞く音と違って聞こえたこと。たいてい我が子の音は聞き慣れていてわかるものだが、それぞれがどのパートを弾くかも知らない私たちは誰がどの音か全くわからなかった。急に腕が上がったとは思われないので、空気が乾燥しているせいなのだろうが、そこまで楽器の音が変わるものなのか。「楽器も里帰りして喜んでるのかも?」と一同驚く。
~本日のメニュー~
この日の夕飯はお料理担当のベルトランさんがお留守だったので、保護者たちで担当。
というわけで、こんなときは定番の…
・カレーライス
(ルーは先生が日本からご持参のもの。米は現地で購入されたカリフォルニア産”みのり”)
・サラダ
3月25日
関西からの参加者と東京からの参加者がパリ・シャルル・ドゴール(CDG)空港で合流。
飛行機の到着時刻が約30分違いだったので、簡単に会えるものと甘くみていたが、CDGは広かった…事前に構内図まで送ってもらっていたのに予定の場所ではうまく会えず、予定より遅くなってお迎えの運転手さんを慌てさせてしまった。
と、若干バタバタしたが、お迎えのバンの運転手さんとはすんなり会えて、一路ラ・ロワンテーヌへ。フランスにも渋滞があるんだ!と早速カルチャーショックを受けつつ2時間ほどかけて到着。
保護者たちが部屋へ案内して頂いているうちに、子供たちは早々に楽器を置いて、庭へ駆け出し、大きな木に下げられたブランコで遊んでいた。
うっかり部屋の写真を撮るのを忘れたが、昔の農家をリフォームした建物で母屋に泊まれる部屋が6〜7部屋。そして、食堂×2、キッチン、レッスン室などになるサロンが大小2つ。
子供たちは、コネクティングルームの2部屋に分かれて寝ることになっていたのだが、夕食後何やらゴトゴト音が聞こえると思ったら、女子3人でベッドを一台移動して一部屋にベッドを3台並べてしまっていた。恐るべし行動力…
お庭が”広い”なんてものではない。公園ができそうなぐらいの広さ。
到着が遅かったので、この日は食事をして眠るだけ。
~晩ご飯メニュー~
- ポトフ
- 白・緑インゲンサラダなどサラダ数種類
- パン
- リ・オ・レ(お米を牛乳で甘く煮たデザート…キャラメル風味で美味)
旅立ち
次女がお世話になっているヴァイオリンの先生、森悠子先生から「こどもたちをフランスに連れて行きます。」といわれたのは昨年の9月頃だったか・・・具体化したのが年末から年明けにかけて。
森悠子先生はフランスを中心に活躍されたヴァイオリニスト。今は日本を拠点に教育活動も熱心に取り組んでおられる。
次女は以前から、その教育活動の一環であるプロペラプロジェクト(音楽を通した人間形成プロジェクト)に参加している。今回はそのフランスでのパイロットバージョンとして、この春休みに少人数で行われた。
場所はフランス・パリから南へ電車で約1時間。フォンテーヌブロー近郊にあるLa Loigntaine(ラ・ロワンテーヌ / 地図の赤い部分内にある。)
このブログは4人の子どもたち(中学1年生3人、中学2年生1人)の貴重な10日間の体験記録である。